免責事項
■誠に恐れ入りますが、RVCを始めとする外部ソフトの使用方法についてはサポート対象外です。お問い合わせいただいても、筆者(夢前黎)は回答の義務を負わないものとします。
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■各ソフトのアップデート等により状況が変わる可能性がございますが、筆者は本ページを最新の情報に保つ義務を負わないものとします。
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RVCの導入方法(RVC公式WebUIを使用)
①Pythonをインストール
RVCの動作に必要な「Python」をインストールします。
筆者はインストール時に表示されるメッセージの中で「Add Python 3.10(バージョン) to PATH」にチェックを入れ、それ以外は初期設定のままインストールし、正常に動作することを確認しています。
【ダウンロードリンク】※Python公式サイトより
■Windows installer (32-bit) (python-3.10.7.exe)
■Windows installer (64-bit) (python-3.10.7-amd64.exe)
■macOS 64-bit universal2 installer (python-3.10.7-macos11.pkg)
■その他
最新版をインストールすればいいとは限りません。つくよみちゃん公式RVCモデルの作成に使用したRVCのバージョン「RVC-beta-v2-0528」では、当時最新版だった「python-3.11.3」をインストールするとエラーになることを確認しています。
その後のバージョンアップでエラーが解消されるかどうかは確認しておりませんが、筆者の環境ではWindows版の「python-3.10.7」で動作確認ができましたので、あれこれ悩みたくない方はとりあえず上記の3.10.7をインストールしてみてください。
②Microsoft C++ Build Toolsをインストール
RVCの動作に必要な「Microsoft C++ Build Tools」をインストールします。
インストール時に表示されるメッセージの中で、「C++ によるデスクトップ開発」にチェックを入れ、インストールしてください。
③7-Zipをインストール
RVCの配布ファイルの展開(解凍)に必要な「7-Zip」をインストールします。
設定が必要な項目はありません。
④RVC公式WebUIをダウンロード
RVC公式WebUIは、Hugging Faceで配布されています。
たくさん並んでいるファイルのうち、「.7z」形式のものがダウンロードすべきファイルです。ファイル名に記されている日付は、リリース日を示しています。
筆者が動作確認を行ったのは、つくよみちゃん公式RVCモデルを作成した時点の最新版である「RVC-beta-v2-0528.7z」というバージョンです。同じものを使いたい場合は、リンク先で「download」の文字またはアイコンをクリックしてダウンロードしてください。
以後の説明は「RVC-beta-v2-0528.7z」をダウンロードしたものとして進めますが、より新しいバージョンが出ている場合、機能が向上している可能性があるため、ご興味がございましたらそちらもお試しください。
⑤RVC公式WebUIを展開
ダウンロードした「.7z」ファイルを右クリックし、出てきたメニューの中から「7-Zip」→「ここに展開」をクリックしてください。
すると、圧縮ファイルだった「.7z」ファイルが展開(解凍)され、「RVC-beta-v2-0528」(または他のバージョン名)というフォルダができます。
この時点で「.7z」ファイルは用済みなので、削除して構いません。
⑥RVC公式WebUIを設置
RVCのフォルダは、エラーを避けるため、パスに日本語・全角文字が含まれないディレクトリ(フォルダ階層)に設置することが望ましいとされています。
パスとは、エクスプローラー(フォルダを開いた画面)の上部に表示されているアドレスバーをクリックした時にテキストとして表示される、
C:\親フォルダ名\子フォルダ名\孫フォルダ名
といった文字列のことです。例えば、先ほどインストールした「7-Zip」のパスは、初期設定のままインストールしたのであれば次のようになっているでしょう。
C:\Program Files\7-Zip
エラーを避けるために一番確実なのは、Cドライブ直下に置くことであると言われています。
C:\
上記の文字列をコピーして、エクスプローラー(この時点ではどのフォルダを開いていても構いません)のアドレスバーに貼り付けてからEnterキーを押すと、Cドライブ直下に一瞬でジャンプすることができます。
そこにそのままRVCのフォルダを置いてもいいのですが、筆者はCドライブ直下がごちゃごちゃすることを避けるために、Cドライブ直下に新しいフォルダーを作り、フォルダー名を「hankaku」にして、その中にRVCのフォルダを置いています。
C:\hankaku
パスがすべて半角英数字で構成されていないとエラーが起きるようなソフトを置くための隔離フォルダというわけです。筆者の環境では、この運用でエラーは起きていません。
⑦つくよみちゃん公式RVCモデルを設置(他のRVCモデルでも同様)
つくよみちゃん公式RVCモデルをダウンロードし、右クリック→「すべて展開」(または7-Zipを使用)で「.zip」ファイルを展開(解凍)してください。
出てきたフォルダの中に入っている「.pth」形式のファイルが、RVCモデルです。使用したいRVCモデルをコピーまたは移動し、RVCのフォルダの中にある「weights」というフォルダの中に入れてください。
つくよみちゃん公式RVCモデルに限らず、「weights」フォルダの中に「.pth」形式のRVCモデルファイルを入れることで、RVCにモデルを読み込ませることができます。
⑧RVC公式WebUIを起動
RVCのフォルダの中に剥き出しで入っている「go-web.bat」をダブルクリックすると、コマンドプロンプトの黒い画面が起動した後、しばらくしてからブラウザでWebUIの画面が開きます。
コマンドプロンプトの黒い画面の方が本体で、ブラウザの方はモニターのようなものですので、RVCを使っている間は黒い画面の方も閉じないでおいてください。閉じると、ブラウザの方の画面が残っていても動作しなくなります。
「go-web.bat」が入っているフォルダはごちゃごちゃしている上、RVCのフォルダをいちいち開くのが面倒くさいと感じるかも知れません。今後簡単に起動できるようにしたい場合は、「go-web.bat」を右クリック→「ショートカットの作成」をクリックし、デスクトップなど使いやすいところにショートカットを置いておくのがおすすめです。このショートカットはお好きな名前に変更してもOKです。
つくよみちゃんUTAU音源の歌声を生声風に変換する(便宜上「つくよみちゃんUTAURVC」と呼びます)
①つくよみちゃんUTAU音源を歌わせる
つくよみちゃんUTAU音源の使い方はこちらのページで説明しています。WAVを書き出すところまで進めてください。
上記のデモ動画では「手っ取り早く歌わせる方法」でほぼ無調声のまま歌わせていますが、UTAUの段階でより細かい調声を行っておけば、UTAURVCにもその調声はある程度反映されると思われます。
ただし、UTAUとしていい声にするための調声と、RVCで変換した時にいい声にするための調声は、必ずしも一致しないことに注意が必要です。時間をかけて行った渾身の調声が無駄になるのは忍びないため、まずは一度無調声の状態で変換を試してみて、そこから微調整していくことをおすすめいたします。
②RVC公式WebUIで変換
「モデル推論」タブを開き、次のように操作してください。
「ファイルのパス」は、こちらで説明した「フォルダのパス」の後に「\ファイル名(拡張子を含む)」をつけ足したものです。
例えば、Cドライブ直下の「hankaku」フォルダの中に「変換元」フォルダを作り、その中に「utau.wav」という音声ファイルを入れたら、「utau.wavのパス」は次のようになります。
C:\hankaku\変換元\utau.wav
「RVC-beta-v2-0528」のバージョンではこれが起動時のデフォルト設定なので、何もいじらなくていいはずですが、事前に自分で設定を変更していた場合は元に戻してください。
エラーになる場合は、「処理対象音声ファイルのパスを入力してください」の欄への入力が間違っている可能性があります。(パスの前後に改行が紛れ込んでいるなど)
③公開時のクレジットは必須(例外あり)
利用規約の共通事項とつくよみちゃんUTAURVCの項目に従ってご利用ください。
つくよみちゃんUTAU音源以外の音声をつくよみちゃんの声に変換する
①変換元の音声の利用規約を確認する
自分の声を使う場合は神経質になる必要はありませんが、他人の声や音声合成ソフトの声を変換したい場合は、使用する素材・ツールの利用規約を事前にご確認ください。
詳しくは下記の説明をご覧ください。
②RVC公式WebUIで変換
「モデル推論」タブを開き、次のように操作してください。
「ファイルのパス」については、こちらで説明しています。
男声を女声に変換する場合は「12」、女声を女声に変換する場合は「0」が一般的とされていますが、お好みで変えていただいても問題ありません。
「15」などの大きい数値を入力することも可能ですし、「-1」「3」などの0に近い数値を入力して微調整することも可能です。
「12」ごとに1オクターブ変わるため、歌声を変換する場合は「12」「0」「-12」のいずれかでないと調が変わってしまう点にはご注意ください。
一般的には「pm」より「harvest」の方が高品質であるとされていますが、筆者が試したところ、歌の場合は「pm」の方が綺麗に変換できました。変換元の音声との相性もあるかも知れません。
エラーになる場合は、「処理対象音声ファイルのパスを入力してください」の欄への入力が間違っている可能性があります。(パスの前後に改行が紛れ込んでいるなど)
③変換元音声のクレジットも必須
RVCは高機能ですが、だからこそ悪用を心配する声も多くあります。
出所がはっきりしない音声を使っていると、盗用を疑われて信頼できない投稿者だと思われてしまうリスクがあります。
そこで、RVCを悪用していないことを示すために、「変換元の音声」と「つくよみちゃん公式RVCモデル」のクレジットを記載することを義務付けています。記載例は利用規約のページでご確認ください。
リアルタイムボイスチェンジャーとして使う
サポート対象外ですが、外部ソフトを使うことで、リアルタイムボイスチェンジャーとして使うこともできます。
2023年6月16日現在、つくよみちゃんプロジェクトでは2つのRVC対応リアルタイムボイスチェンジャーを公認しています。
これらはどちらもつくよみちゃんコーパスから作られた非公式のRVCモデルを搭載していますが、ユーザーが用意したRVCモデル(当サイトで配布しているつくよみちゃん公式RVCモデルも含む)をセットして使うこともできます。
利用規約や使い方は、各ソフトの公式サイト等でご確認ください。
また、つくよみちゃん公式RVCモデルを使わず、各ソフトに搭載されている非公式のつくよみちゃんRVCモデルを使用するという選択肢もあります。その場合は、各ソフトの利用規約に従ってご利用ください。